とあるえカスらしきものが、白く変色して残されていた。そこから五十メートル程離れた東西南北それぞれに、少し大きめのコテージが建てられている。  周りに雑草こそ生えてはいるが、何年も放置されていた場所というわりには、随分と小綺麗に見えた。  まるでここ一年くらいの間に、誰かが使っていたかのような……。 「ああ、それはそうですよ。ここは、楠木教授の第三実験棟ですから。四方にあるロッジは、ルイ達がそれぞれ、ペアで使っていたものです」  僕の内心を見透かしたかのように、汐里が答える。  第三実験棟。確かルイ達が、怪物にされる前に、連れて来られた場所だ。表向きは心理的実験。真の目的は、アモル・アラーネオーススのつがいを作る為の、布石として。  突然連れて行かれて、どこへ案内されるのかとは思ったが、どうやら怪物に関する出来事は、僕らにいつまでもついて回る運命らしい。……遠坂黎真は静かに暮らしたい。何て考えは、贅沢だろうか? いや、今は考えまい。 「ここで……ルイが?」  導かれるように辺りを見渡す。かつてルイが生きていた場所に、僕がこうして降り立っている事実。何というか、不思議な感慨深さがあった。 「見てきますか? 私も準備がありますし、自由時間としましょう。ルイとあの女のロッジは、北側です」  あの女という部分に少しの嫌悪を滲ませる汐里。今更だが、京子と汐里って、結構性質似てるよな。なんて事を僕は何の気なしに思った。アクティブさに違いがあるので、どっちが怖いかは甲乙つけがたいが、少しだけルイに同情した。 「何か失礼な事を考えていませんか?」 「な、何でもないよ!」  汐里の目がつり上がっていくのを察知した僕は、慌ててその場を後にする。ちょこちょこ後ろからついてくる怪物と共に、僕は北のロッジへと。 「じ、地味に段差があるな」  流石は大自然の中にあるキャンプ場のmjbjbjk(gyhvvk)

作成日 2015/07/28 / 得票はありません → 投票する

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とあるえカスらしきものが、白く変色して残されていた。そこから五十メートル程離れた東西南北それぞれに、少し大きめのコテージが建てられている。  周りに雑草こそ生えてはいるが、何年も放置されていた場所というわりには、随分と小綺麗に見えた。  まるでここ一年くらいの間に、誰かが使っていたかのような……。 「ああ、それはそうですよ。ここは、楠木教授の第三実験棟ですから。四方にあるロッジは、ルイ達がそれぞれ、ペアで使っていたものです」  僕の内心を見透かしたかのように、汐里が答える。  第三実験棟。確かルイ達が、怪物にされる前に、連れて来られた場所だ。表向きは心理的実験。真の目的は、アモル・アラーネオーススのつがいを作る為の、布石として。  突然連れて行かれて、どこへ案内されるのかとは思ったが、どうやら怪物に関する出来事は、僕らにいつまでもついて回る運命らしい。……遠坂黎真は静かに暮らしたい。何て考えは、贅沢だろうか? いや、今は考えまい。 「ここで……ルイが?」  導かれるように辺りを見渡す。かつてルイが生きていた場所に、僕がこうして降り立っている事実。何というか、不思議な感慨深さがあった。 「見てきますか? 私も準備がありますし、自由時間としましょう。ルイとあの女のロッジは、北側です」  あの女という部分に少しの嫌悪を滲ませる汐里。今更だが、京子と汐里って、結構性質似てるよな。なんて事を僕は何の気なしに思った。アクティブさに違いがあるので、どっちが怖いかは甲乙つけがたいが、少しだけルイに同情した。 「何か失礼な事を考えていませんか?」 「な、何でもないよ!」  汐里の目がつり上がっていくのを察知した僕は、慌ててその場を後にする。ちょこちょこ後ろからついてくる怪物と共に、僕は北のロッジへと。 「じ、地味に段差があるな」  流石は大自然の中にあるキャンプ場のmjbjbjk(gyhvvk)
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とあるえカスらしきものが、白く変色して残されていた。そこから五十メートル程離れた東西南北それぞれに、少し大きめのコテージが建てられている。  周りに雑草こそ生えてはいるが、何年も放置されていた場所というわりには、随分と小綺麗に見えた。  まるでここ一年くらいの間に、誰かが使っていたかのような……。 「ああ、それはそうですよ。ここは、楠木教授の第三実験棟ですから。四方にあるロッジは、ルイ達がそれぞれ、ペアで使っていたものです」  僕の内心を見透かしたかのように、汐里が答える。  第三実験棟。確かルイ達が、怪物にされる前に、連れて来られた場所だ。表向きは心理的実験。真の目的は、アモル・アラーネオーススのつがいを作る為の、布石として。  突然連れて行かれて、どこへ案内されるのかとは思ったが、どうやら怪物に関する出来事は、僕らにいつまでもついて回る運命らしい。……遠坂黎真は静かに暮らしたい。何て考えは、贅沢だろうか? いや、今は考えまい。 「ここで……ルイが?」  導かれるように辺りを見渡す。かつてルイが生きていた場所に、僕がこうして降り立っている事実。何というか、不思議な感慨深さがあった。 「見てきますか? 私も準備がありますし、自由時間としましょう。ルイとあの女のロッジは、北側です」  あの女という部分に少しの嫌悪を滲ませる汐里。今更だが、京子と汐里って、結構性質似てるよな。なんて事を僕は何の気なしに思った。アクティブさに違いがあるので、どっちが怖いかは甲乙つけがたいが、少しだけルイに同情した。 「何か失礼な事を考えていませんか?」 「な、何でもないよ!」  汐里の目がつり上がっていくのを察知した僕は、慌ててその場を後にする。ちょこちょこ後ろからついてくる怪物と共に、僕は北のロッジへと。 「じ、地味に段差があるな」  流石は大自然の中にあるキャンプ場のmjbjbjk(gyhvvk)
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